断面二次モーメント計算機
構造断面の断面性能 (Ix, Iy, Sx, Sy) を計算. 一般的な構造断面の面積、断面二次モーメント、断面係数、回転半径を計算します。. 断面二次モーメント(断面の二次モーメント、I)は、断面が曲げに抵抗する度合いを定量化します。I値が大きいほど断面は剛性が高く、荷重下でのたわみが少なくなります。形状と材料が曲げ…
一般的な構造断面の面積、断面二次モーメント、断面係数、回転半径を計算します。
断面二次モーメントとは?
断面二次モーメント(断面の二次モーメント、I)は、断面が曲げに抵抗する度合いを定量化します。I値が大きいほど断面は剛性が高く、荷重下でのたわみが少なくなります。形状と材料が曲げ軸からどれだけ離れて分布しているかに依存します。
主要な断面性能:面積(A)— 軸力耐力、断面二次モーメント(I)— 曲げ剛性、断面係数(S = I/c)— 曲げ応力耐力、塑性断面係数(Z)— 終局強度、回転半径(r = √I/A)— 座屈解析。
I形鋼は材料が中立軸から遠いフランジに集中しているため、最小の材料でIを最大化でき効率的です。長方形のI = bh³/12 — 高さを2倍にするとIは8倍(3乗の関係)に増加し、幅を2倍にしてもIは2倍にしかなりません。
Formula: 長方形: I = bh³/12, S = bh²/6 円形: I = πd⁴/64, S = πd³/32 中空長方形: I = (BH³ - bh³)/12 回転半径: r = √(I/A)
計算例
200×300mm長方形梁:I = 200 × 300³/12 = 450,000,000 mm⁴ = 4.5 × 10⁸ mm⁴。S = 200 × 300²/6 = 3,000,000 mm³。許容曲げ応力 = 10 MPaの場合、最大モーメント = S × σ = 3.0 × 10⁶ × 10 = 30 kN·m。
この計算機を使うタイミング
- 構造技術者が標準鋼材選定前に予備的な梁・柱寸法決定のために断面性能を計算する場合
- 機械技術者がカスタム断面・組合せ梁・合成断面の断面二次モーメントを求める場合
- 土木工学の学生が構造解析の授業で断面性能の手計算を検証する場合
- 設計技術者が断面変更(プレート追加・フランジ厚変更)が十分な曲げ耐力を提供するか確認する場合
よくある間違い
- Iyが必要な時にIxを計算する(またはその逆) — 垂直曲げにはIx(水平軸周り)が関連;横座屈チェックにはIyが必要
- 平行軸の定理を誤って適用すること — 形状を組合せる際の移動距離は各部材の図心から合成図心までであり任意の基準軸ではない
- 弾性断面係数(S = I/c)と塑性断面係数(Z)を混同すること — Sは弾性設計用、Zは塑性/終局強度設計用;Z/S比(形状係数)は通常1.1〜1.7
- 単位を統一しないこと — mmとmを混在させると10⁶や10¹²の誤差が生じる;全寸法を同じ単位系で統一してください
結果の読み方
- Ixは強軸(鉛直)曲げに対する剛性とたわみを支配します — 断面積が近い候補同士を比較する場合、Ixが大きい方が同じ荷重でのたわみが小さくなります
- Sxは弾性断面係数です:許容曲げ応力を掛けるとモーメント耐力(M = Sx × σ)が得られます — 終局強度設計で使う塑性断面係数Zではなく弾性値である点に注意してください
- rxとryは柱の座屈検討の細長比KL/rに用います — 弱軸が横補剛されていない限り、小さい方の回転半径(通常ry)が支配します
- 図心Yは下縁から中立軸の位置を示します — 非対称T形断面では遠い縁を基準とした支配側(小さい方)のSxを報告するため、反対側の面の曲げ応力はより低くなります
- 入出力は全てミリメートル単位(mm²、mm⁴、mm³)です — モーメントをN·mm、応力をMPaで扱えば単位が整合します。メートルを混ぜると10⁶〜10¹²のスケール誤差が生じます
- I形梁と溝形鋼の結果は角が直角の理想化形状によるものです — 圧延断面の値は、フィレットや付け根Rを含むAISCやミルの表と若干(通常数%)異なります
関連規格・参考文献
- AISC Steel Construction Manual — 標準鋼形材の断面性能表と設計規定
- Roark's Formulas for Stress and Strain — 断面性能と応力公式の権威ある参考書
- Timoshenko, Mechanics of Materials — 断面二次モーメント、断面係数、回転半径の古典的な導出
よくある質問
梁で深さが幅より重要なのはなぜですか?
断面二次モーメントは高さの3乗に比例しますが幅には1次比例です(I = bh³/12)。高さを2倍にするとI(と剛性)は8倍に増加し、幅を2倍にしてもIは2倍にしかなりません。これが梁が常に高くて狭い理由であり、I形鋼がフランジに材料を集中させる理由です。
IxとIyの違いは?
IxはX軸(水平)まわりの断面二次モーメントで、鉛直面内の曲げに抵抗します。IyはY軸(鉛直)まわりのもので、横方向の曲げに抵抗します。鉛直荷重を受ける梁ではIxが主要な設計値です。Iyは横座屈の検討に重要です。